過去、ムールハオゼンとはいつも1勝1敗。ホームで勝ってアウェーで負けていました。狭いホール、カチカチの硬いボール、ハードヒッターのファイター揃いのムールハオゼンのホールは、独特の雰囲気があり私自身も苦手なホールです。
開幕戦で2敗してしまったフィリップではなく、19歳のマクシム・グレベノフを単複に起用しました。マクシムは昨シーズン、相手エースのハーベソン(オーストリア/WR44位)ともほぼ互角の勝負をしていたので、ハーベソンに当てにいって2番。シュテガーがエースで1番。足裏を故障してしまったキリアンも、怪我をおしての出場で3番。
しかし、相手がオーダーを変えてきて、エースにイオネスク(ルーマニア/WR60位)。2番に、前節ティモ・ボル選手とフルゲーム9本の大激戦をした21歳のベルトランド(フランス/WR368位)。3番にハーベソン。4番まで回れば、シュテガーはイオネスクに相性が良く、またラストのダブルスはイオネスクの方がダブルスは上手いので、ハーベソンとベルトランドのダブルスはかみ合わない可能性がある。何れにしても1番2番で勝利をもぎ取り、後半につなげたいと思いました。
19:00 試合スタート…
1番 マクシム vs イオネスク。開幕戦のデュッセルドルフ戦でカールソン選手(スウェーデン/WR29位)に勝利し、好調なシーズンのスタートをきったイオネスクに対し、マクシムが襲いかかります。的を絞らせない多彩な戦術から、豪快なフォアハンドを打ち込むマクシムに対し、イオネスクは防戦一方に。「勝ち切るか?マクシム」と自分の心の中で呟きましたが、
この19歳の選手は何と3対0で素晴らしい勝利を収めました!
2番 シュテガー vs ベルトランド。前節のティモ・ボル戦では華麗な両ハンドのカウンターを叩き込んでいたベルトランドですが、シュテガーのキレのあるドライブを凌ぎきれず、最後はシュテガーの貫禄勝ち!
3番 キリアン vs ハーベソン。コンディションが万全ではないながらも豪打を放つキリアンに対し、両ハンドのカウンターでキリアンのボールを受け止めたハーベソンの勝利。
4番 シュテガー vs イオネスク。クニックスホーフェンのホールだと、シュテガーの緩急をつけたバックドライブに対応できず一方的な試合になるのですが、このホールだと若干回転量が落ちるので、イオネスクのフルスイングが入ってきます。第1ゲームは取りますが、徐々にシュテガーのボールをキャッチし始めたイオネスクの動きが良くなり、どこに打っても大きな打ち合いになり、1対3でイオネスクの勝利。
5番 キリアン・マクシム vs ハーベソン・ベルトランド。まだ1度もダブルスの練習をしたことがないキリアンとマクシムは、第1ゲームこそ落としますが、徐々にやるべきことが見え始めます。第2ゲーム以降は、台上の展開からのコンビネーションの良さ。両選手ともに回り込んでの強打をみせ、最後はベルトランドのフォアサイドを執拗に攻める戦術。最後はキリアンが渾身のフォアドライブをたたき込み3対1で勝利!
【ハイライト動画です】
この勝利は本当に嬉しいですが、今シーズンは10月10日にドイツカップのベスト8決定戦が、もう一度このホールで行われます。ムールハオゼンもこのままでは終わらないと思います。気を引き締めて試合に臨まなければなりません。
試合終了後、シュテガーがブンデスリーグのインタビューに答えていました。
「今日はキリアンとマクシムに感謝しなければならないね。もしチームが負けていたら、自分は1歳年をとった気持ちになっただろう笑」と。
「コロナで試合がなかったから、もう少し本番の試合をしてくるよ。ただコートに立った時に気持ちにスイッチが入るかどうかはわからないけどね」と言って、シュテガーは試合終了後、ブレーメンで行われるドイツ選手権に移動しました。準々決勝でメンゲルに4対3。準決勝でフィルスにも4対3で勝利し、決勝こそデュダに2対4で敗退しましたが、見事に準優勝のシュテガー。
「火曜日の試合まで時間があるから長時間の運転は気を付けて」とメッセージを送ると「コージ、今からクニックスホーフェンに行くよ」とシュテガー。本当に気持ちがタフで強いです。
次節は8月31日(火)19:00、ホームにデュッセルドルフを迎えて行われます。
プレミアムサービスで板垣孝司監督の卓球指導動画が見放題