負けはしましたが、これぞプロリーグという試合内容でした。
このような試合に立ちあえて嬉しいのですが、改めてさらに上回るパフォーマンスを選手にさせるための作戦を練らなければならないとも感じました。
【まずはハイライト動画(1)です】
超満員、立ち見のお客さんまで入ったホールので試合は1対3での敗退でした。この試合はデュッセルドルフのホームゲームでした。しかしシュテガー・バースチャンが1年前にクニックスホーフェンと契約を結んだ段階で、バースティがプロになる前にプレーしたことのあるこのリーゲンスグルグにいる彼の友人たちが、1年前から試合準備を進めバイエルン州でアウェーの試合をすることとなりました。そして同い年のティモ・ボル選手もそれに応えて「僕もプレーするよ!」と約束してくれ、超満員のお客さんを迎えることができました。バースティーの応援がとても多く、まるでホームでの試合のような温かい雰囲気でした。もちろんデュッセルからの応援団も多数来ていました。2週間前のヨーロッパトップ12で優勝したばかりのティモ・ボル選手は疲れも見せず自身の最高のパフォーマンスを発揮してくれました。
もちろん試合はガチンコです。エース、ティモ・ボル選手はもちろん、2番のクリスチャン・カールソン選手(スウェーデン/WR28位)3番リカルド・ワルター選手(ドイツ/WR78位)。今日は控えにまわったアントン・カルバーグ選手(スウェーデン/WR72位)は先週のスペインオープンで及川選手が完敗しています。強いです。
オーダーは昨シーズンにボル選手に勝利している及川選手を前半でボル選手と当て勝負。そしてシュテガー選手がエース。ラストのダブルス勝負まで持ち込めればギリギリの勝負が見えてきます。今日は練習から好調なバースティーをエースとして起用、そして2番手には同じくドイツオープンで活躍した及川を、3番は怪我続きではありますがここから奮起してほしいキリアンを投入しました。
大観衆を前に15:00試合スタート!
1番 及川選手 vs ティモ・ボル選手。昨シーズン勝利した時の戦術、対策を発揮した試合ではありましたが、前回とは全く試合内容が異なりました。というより試合を組み立てられた感じの試合でした。もっとフォアサイドを下げてバックバックでの勝負に持ち込みたかった試合ですが、
今日のボル選手は全く下がらず両ハンドでのカウンターを浴びせてきました。胸を借りるつもりではなく最初から「勝てる相手!」としてコートに立った試合。私も及川選手も勝てなかったことのショックの方が大きかった試合ですが、それは及川選手が成長している証でもあると思います。ティモ選手は一度負けても次もそのままずるずる同じ選手に負けることはなく、全く違う試合を作られ完封されました。
2番 シュテガー選手 vs カールソン選手。世界ランキングとしては大きく離されていますが、実力は五分です。シュテガー選手はカールソン選手に自信を持っていて、私が分析した戦術とシュテガー選手の試合イメージが一致し、落ち着いての勝利でした。もちろん勝利が決定した時は「バースティー!バースティー!」コールが鳴り止みませんでした。
3番 キリアン選手 vs ワルター選手。持ち前のフォアハンドで9-9,10-10まで追い詰めるものの、勝負どころでのサーブレシーブの旨さが秀でているワルター選手が3対1で勝利。
4番 シュテガー選手 vs ティモ・ボル選手。「バースティー。今日はまずフルゲームまで持ち込もう。前半戦の対戦での『最後にティモをどうやって追い込むか。』そこだけ確認して試合に臨もう!」のアドバイスに第1ゲームも大きくリードしますが、そこからボル選手の神業『右手打ち!』が炸裂し逆転負け。私も思わず「嘘だろ!」と声を出してしまいました。しかしゲームカウント1対1になり第3ゲーム10対9とゲームポイント!ボル選手のフォアへのレシーブに対しシュテガー選手が大きく飛びついてフォアストレートへのドライブを打つ体勢に「抜けた!取った!」と心で叫んだ、そのボールをボル選手にカウンターを喰らいもう一度「嘘だろ!」と叫んでしまいました。執拗なミドル攻めで「絶対にカウンターを喰らわない」質の高いボールを打ち込むボル選手。ミドルを警戒すればサイド、というように試合を支配していきます。本当に強い!バースティーも試合スタイルが以前と変わってきて、この試合に賭ける意気込みを感じる試合内容でしたが、それを上回るティモの完成度の高さはやはり世界トップ10。大きな第3ゲームを落としゲームカウント1対3での敗退。チームも1対3での敗退となりました。
【ハイライト動画です】
次節は1週間後の2月23日(日)にムールハオゼンを迎えてのホームゲームです。及川選手は今週はクニックスホーフェンに滞在し、シェークハンズクラブで練習をします。世界ランクも61位まで上がりましたが「更にランキングを上げるためには何が必要なのか?」をテーマに一緒に考えながら一週間の練習に取り組みたいと思います。
チームとしてのプレーオフ進出はもうありませんが、もちろんフルパフォーマンスで強敵を迎え打ちたいと思います。
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